成否の鍵 其の二 「継続」

2025-09-09 | 八方良しを目指して

めぐる市が第1回から盛況、という結果を残せた要因2つ目は、継続。
①めぐる市実行委員のメンバーが、今までも地域活動を続けてきたこと。
②初出店の寺子屋のブースが人氣だった理由も、寺子屋を5年続けて、積み重ねたものがあったこと。
③会場となった、いち柳ホテルの保坂社長も、今までに様々なイベントを続けてきていること。
④司会の小松さん、ご出演の音楽家、ご出店の皆様も長年継続して活動してきた方が多かった。
もちろん反省点もありますが、継続してきた経験が活かされた、と思います。

以前、書家さんのことを書いたと思います。
作品を書く時間は、一瞬。それが〇万円で売っていると、「高い」という人がいる。
でもその書を書けるようになるのに、何年、何回、書いてきたか。どれだけ努力を積み重ねてきたか?

師からは、「10年やって本物」、
「10年で一人前
20年で敵がいなくなる
30年で歴史に残る」
というお言葉もいただいています。

私の著書に「価値がわからないのは悲しい」と書いてあります。

「継続は力なり」

この言葉は誰でも知っていますが、続けることの本当の価値は、続けた人にしかわかりません。

輪島塗の工房に生まれた方が仰っていました。

「若い頃は輪島が嫌で出て行きたかった」「継がなければいけない、というのは縛られているように思えた」と。
若い時は続けた経験がないので、「伝統」の価値がわからないのです。しかも、隣の芝は青く見えます。
それから何十年と経ち、その方は「輪島塗の価値がこの年になり、わかった」と。

店は両親が始めた私の店は43年。私は店に入り33年。
100年やるとどうなるか、は私はわかりません。やったことがないから。

「継続は力なり」という言葉を実感し始めたのは、店が30周年になった頃から。
30年続けるとこういうことが起こるんだ、という経験をしました。
山登りを途中でやめた人は、山頂の景色を見ることはできません。続けた人しか見ることができない景色があるのです。
私には、43年続いている店で見えた景色があるから、「継続は力なり」と言うのです。ほんもの寺子屋十五訓にも「継続は力なり」。入れています。


始めることは容易ですが、続けることは難しい。

社会が変化していく中でも生き残らなければ、続けられません。
バブル崩壊・価格破壊・リーマンショック・100円ショップ・消費税増税・ネット販売・感染騒動・キャッシュレス。
「伝統」に胡坐をかいていれば、凋落していきます。常に努力を続けていく必要があります。

やめるのも簡単。続けることが難しい。

継続の価値、自分の仕事の価値がわからない人、経営者の思いがわからない人は、簡単にやめるでしょう。

私は、私の志事=店・美術館・父の作品・講演会がどれほど価値があるか、年を経ることにわかってきました。


資本主義は資本家のための社会=お金最優先。日本や地域や私達国民がどうなろうと関係無し。グローバリズムとも言います。だから、多国籍企業は日本の宝を潰し続けてきました。外国に支配された日本の政治は、感染対策・消費税増税・インボイスなど中小・個人事業潰しの政策を続けています。
「職業に貴賎なし」と言いますが、お金最優先ではない社会を創るためには、そういう会社とそういう会社で働く人が減り、想いを持った中小企業・個人事業が増えていくことが望ましいのです。

私の志事は、日本・日本の宝を守る志事。
資本家・大企業の駒として使われるような仕事とは真逆の志事です。
安定はしていないし、何の保障もありませんが、
日本の中でも、最も価値が高い志事をさせていただけていると思いますし、最高の志事・天職だと思っています。有難く幸せなことです。

素晴らしい店を始めてくれ、継続してくれていた両親に感謝。また世界に誇る使い手の方が喜ぶ次元が違う本物を創ってくださる職人さんに感謝。私の志事を支えてくださるすべての皆様に感謝です。

先日投稿した79歳の女性社長から言われた言葉。
「あなたのお店と美術館・講演会のお志事、天国のご両親がとても喜んでいると思う」
嬉しかったな~(泣)。

家業を家族が繋いでいくこと。とても価値があることだと思いますが、素晴らしいお店や仕事なのに家族が価値がわからずやめてしまった例を見てきました。とても勿体無いことです。


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