不粋

2019-04-01 | 八方良しを目指して

 イチロー選手が引退会見で「不粋」という言葉を使いました。それで氣付いたことがあります。
 昔は、「粋」「野暮」と言う言葉が頻繁に使われましたが、いつの間にかほとんど聞かなくなりました。今は、「善悪」ばかりですね。そして、何故良いか、悪いか、説明を求められます。しかし昔の日本人には、「粋」か「不粋」か、という判断基準がありました。理屈とか科学的な根拠とかではなく、不粋=感覚的・心情として「それは無しだね」「有り得ないでしょ」という判断があったのです。
 例えば、リニアの異様な光景は、あきらかに新幹線とか在来線とは違うわけです。南アルプスという大きく聖なる山を貫通させるのも、山の神様の怒りを買うとか、大きなしっぺ返しをもらうだろう、とか考えなくても駄目だとわかることだったと思います。メガソーラーも原発も不粋な光景ですし、弱者いじめであり震災被災者も苦しめる消費税増税も不粋ですね。
 ご先祖様が大切にしてきた「粋」か「不粋」か、という判断基準を取り戻したいものです。

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