「梅干と日本刀」 樋口清之著 「村八分」の意味

2023-06-20 | 社会評論

 骨折した足は、腫れがひいた以外はあまり変わっておらず、まだほとんどベッドの上という状況です。熱が出る日もあったり、5箇所骨折なので当然ですが風邪みたいに「1週間で良くなりました」というわけにはいきません。色々あってなかなかゆっくりもできず、ですが、今日6月20日は歌人だった祖父・保坂耕人(農康)の命日。祖父母両親に見守られ、今日も生かされているので有難いですし幸せなことです。車椅子も貸してくださった方がいらして。そろそろ、外出も増やしたいと思っています。手術から1ヶ月経った頃に色々と先のことが見えてくるのではないかと思います。

 41周年記念講演会でご紹介した本があります。「梅干と日本刀」樋口清之著です。入院中に読んだ本で、また素晴らしい本に出逢いました。同書の「あとがき」で、歴史研究家の井沢元彦さんが、「日本の文化がいかに諸外国に類を見ない優れたものであるか、様々な角度から検証し、日本人に勇氣と誇りを与えた名著」と書かれていますが、そのとおりだと思います。学校の教科書にしてほしい日本人必読の書です。

 紹介したい内容は山ほどあるのですが、最初にお傳えしたいのは以下です。
『村八分は「八分」であって、十分(出産・成人・結婚・葬式・法事・病気・火事・水害・旅立ち・普請)ではない。八分は断絶するが、二分(葬式・火事)の交際は残すということ。絶縁はしても悲しい出来事だけは分かち合おう。こんなに心優しい懲罰風習は世界に類をみない』

 村八分というと、昔の悪しき慣習と思われがちですが、逆だったのです。完全に断絶はしない。
今の私達の社会はどうでしょう?氣に入らない、嫌いだ、となると十分=すべて繋がりを断ってしまう。自分も完璧ではないのに、他人には完璧を求める。人のミスや間違い・欠点は赦せない。考え方の違いを受け入れない。

 昔の日本のことを知れば知るほど、どんどん日本人が精神も物質的(量は増えたが質が下がった)にも貧しくなり、劣化し、退化していることがわかります(それがGHQの狙いであり、そのとおりになった)。それなのに進化していると思い込んでいます。
先人の凄さ、素晴らしさを知らない=教育されていないからです。

 昔のほうが時間があり、心のゆとりもあり、豊かで幸福だった。陽氣で笑顔が溢れていた。困っている人が少なかった。
繋がり(共同体)があり、助け合っていたから、富を抜かれていなかったから、です。

 講演会でお伝えしていますが
①日本より欧米が上、進んでいる
②昔のものは駄目で、新しい物が良い
この2点の洗脳が今の日本には行き届いています。コロナでもこれをやられたのですが、全分野、これで日本は壊されたのです。実際は真逆ですが、それを知らない、知らされていない私達。
これも講演で話していますが、日本人にとっては当たり前のことが、実はとんでもなく凄いことで、その凄さを日本人が全然わかっていない、知らない。だから欧米や外国のものにはしる。

 世界に誇る凄い国だったのに、自国を愛せない、誇りをもっていない人、自己肯定感が低い子どもが多いという矛盾・現実。子ども達・私達・日本のために何とかしないといけません。
原因は教育です。だから学校教育を変えるか、本当の教育の場を創らないと日本の未来はありません。私は後者をやっています。前者よりもずっと早いから。


 私達のご先祖様、昔の日本人は、凄すぎること、日本は欧米よりもずっと進んでいたことが、この本を読むとわかります。
やはり、「昔に進もう」、と改めて思った本です。
「すべては知ることから始まる」ですから、ぜひ読んでみてください。
※あま損で買っては駄目(=自分で自分の首を絞めます。富を抜かれないように)ですよ。地元の本屋さんでお求めください。


戻る