「伝統を超える」 堤卓也さん

2019-10-11 | 八方良しを目指して

 当店では、貴重な日本の漆を塗った品物をご紹介しています。
漆器はどこの家にもあったのに、今はまったくない家が増えました。
 私は、漆器を日本人が使わなくなったのは「日本人が日本のことを知らない」象徴的なことだと考えていますし、漆器作りには驚くほど素晴らしい「先人の知恵と工夫」が詰まっています。日本人=あなたが、漆器の素晴らしさを知って、使うようになれば、日本の伝統や文化に興味や誇りを持つ人が増える、日本の伝統文化復活のきっかけになる、と考えていますので、様々な素材をご紹介してるなかでも漆器への思い入れは強いです。

 私と同じように、日本漆を守るために志事をなさっている堤卓也さんに8月にお目にかかることができました。まさに「同志」にお会いでき、とても嬉しかったです。

堤さんが写真で手にしているスケートボードは、漆塗りです!
この発想が素晴らしいですね。
「漆×サーフィン」「漆×BMX」「漆×スケートボード」という3つのテーマで、漆の素材としての魅力発信や新たな価値観の創造を目的に「BEYOND TRADITION (伝統を超えて)」という企画をなさっています。

 色々とお話を伺いましたが、印象に残ったのは、
「漆器を洗って拭く時に、感性がくすぐられる」
「漆器を使わなくなると、モノを大切に使うとか次世代に繋ぐ、という日本人らしさが消えてしまう」
というお言葉です。

 
食洗機・乾燥機を使うと電氣に依存することになりますし、漆器を洗う時の肌触りの氣持ちよさや、使ってピカピカになっていく愉しみも体験できません。
一生モノではなく「代々モノ」で使える本物の漆器をこれからも広めていこうと改めて思った次第です。


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