『「八方良し」を目指して』のご感想16 「本当に世に広めるべき本」

2018-09-13 | 八方良しを目指して

 高著、拝読させていただきました。
 
心揺さぶられる、そして私自身の購買についての姿勢を反省する内容でした。
正に”仰る通り”!です。
 
 私も商売柄、小売業に関わる身として、常々今の値下げ競争による負のスパイラルについて強い問題意識を持っておりました。メーカー、ベンダーをいじめてリベートや仕入値の値下げの強要をする。
当然零細企業を中心に経営が厳しくなる。(小売業に納品しているのは有名大手メーカーだけではなく、零細企業の商品もたくさんあります)しかしその零細企業の社員もまたその小売業からすると消費者であり、財布の中身が寂しいので更に安いお店に走る。そうすると小売業はまた隣のお店より1円でも安くと値下げに走り・・・となるわけですよね。
 
 また傳統技術が滅びるとの内容については、日本には世界に誇る自然、材料と世界に誇る技術があるのにそれを守る仕組み、空気感そして考えが無い。むしろ海外にドンドン日本円が流出しているという問題提起、私自身どちらかというとイタリア物が好きだったりするので、身をつまされる思いでした。
 
 著書の中で「3,000円と言うこの本の値段が高いと思うか安いと思うか」というくだりがあったと思いますが、私はこの本は本当に世に広めるべき本だと思います。そういった意味だと値段の問題ではない。むしろ安いくらいだと思います。
確かに私も物持ちは良い方で、高いお金を出した本当に良いものは10年以上愛用していたりします。逆に安物買いの銭失いとはよく言ったもので、安いからと言って買ったものや衝動買いしたものほどすぐに着なくなったり、使わなくなったりします。
 
 「悩む理由が価格だけの時は、買い。買いたい理由が価格だけ=安さの時は、買うな」これは是非、みんなに知ってもらいたいフレーズですね。(私も肝に銘じます・・・)

とにかく語りつくせないほどあっという間に読んでしまいましたし、保坂さんの考え方(同じ師、上甲晃に師事していることからも共感ポイント多数)はもっと多くの方に広めていきたいですね。
 
 また、英語を教える前に日本語のすばらしさや伝統芸を学校で教えるべきとの考えにも強く共感しました。
 
わが社の社員にも是非話を聞かせたいです。

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