傳えて繋ぐこと

2018-06-25 | その他

 私は自らを「傳え手・繋ぎ手」と言っており、両親の死後、傳えること・繋ぐことの大切さを以前にも増して感じています。そういう意味でも、店でお勧めしていた「究極のデニム」が後継者不在で制作できなくなってしまったこと、本当に残念に思っています。
また一つ、私たちは日本の宝を失おうとしています。一度、止まってしまうと復活させるのは大変です。
 あらゆる物造りの分野で同じようなことが起きており、当店の品物でも手紡ぎ糸の羊毛の商品をはじめ、他にも今後いつまで制作できるのかわからない物があります。お客様からも「出逢った時に買わないと駄目よね」と言われますが、作れなくなれば、いくらお金を積んでも買えなくなってしまいます。
 私の本に寄稿文を寄せてくださった整体師の西田聡先生も「一人ひとりの意識や行動が変わることが大切」と仰っているように、「これはおかしい」とか「嫌だけど、お金のためには仕方が無い」と思いながら仕事をするのではなく、心から、嬉しく楽しく誇りに思える志事につく人が増え、そういう人が作るものを応援する(購入する)人が増えていくことを願います。それが本物を次世代に残していく方法だからです。

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